相続税・贈与税一体課税はどうなった? 令和4年度税制改正大綱

日付:2022年2月10日(木曜日)

タグ: 令和4年度税制改正大綱

2021年12月10日、自民党と公明党による令和4年度税制改正大綱が公表されました。
それを受けて、早くも一部の週刊誌では「来年4月1日から贈与税が大幅に変更される」「贈与税の基礎控除がなくなり、暦年贈与が出来なくなる」などと、やや煽り気味に報道されているようです。
果たして、そうした報道は本当なのでしょうか?

相続税・贈与税のあり方について書かれていたのは自民党・公明党による「令和4年度税制改正大綱」の中の「基本的な考え方」部においてでした。その後、財務省による令和4年度税制改正大綱も公表されましたが、そこには相続税・贈与税のあり方に関する言及はありませんでした。
これを見ると、贈与税の見直しは自民党・公明党の要望ではあっても、財務省はそれに対して「いつまでに」といった責任を何ら負うものではない、とも考えられます。現に、相続税・贈与税のあり方については「令和3年度税制改正大綱」の「基本的な考え方」部にも記載がありましたが、昨年1年間に贈与税の見直しを審議する会議は一度も開かれていません。
そもそも、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得に対して課税が行なわれる贈与税を、4月1日に変更することはあり得ません。ですので、マスコミの煽り気味の報道はやや勇み足のようです。

ただし、だからといって相続税・贈与税のあり方がいつまでも変わらないと考えるのも早計です。
どんな形になるにせよ、贈与税がいずれ変更されるのは明白です。
「いつ、どうなるか?」を机上でいくら考えてみたところで結論は出ません。どんな形になったとしても大丈夫なように、いまのうちから対策を検討・実行しておくことはきわめて重要です。